飲食店実践ノウハウ集 チームづくり(5)-1|株式会社フードビジネスイノベーション

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■チームづくり その5■ 
お客様との約束化

継承化


5つのステージの最後は継承化です。

継承化に最も適したツールはマニュアルです。
この段階では、マニュアルを全員で作ってもらいたいと思います。マニュアルという言葉が嫌なら、スタイルという言葉にしてもいいでしょう。

大事なのはマニュアル(スタイル)の本質です。それはつまり「自分たちらしさ」であり、「お店の型を作る」こと、それを改善しつつ継承していくことです。スタイルは変わらないものではありません。「自分たちらしさ」と照らし合わせて、「これでいいのだろうか」「こうしたほうがより良いのではないか」と常に刷新していくものです。

最も効率的なスタイルの継承化の方法は、すべて映像にすることです。分厚い標準作業書を見るよりも、写真を多用した図解にしたり、作業手順を映像化したりするほうが、より効率的ですしわかりやすくなります。
そして、何より改善しやすいという利点があります。

もう一つ、継承化であるのが、飲食店は今、職人さんとアルバイトさんが混在して仕事をしています。

結構、職人さんは自分たちが習ってきたものを持っていて、それに揺るぎない自信があります。いわゆる匠の心のようなものを持っている方が非常に多いのです。
それに対して言えるのが、暗黙知の形式知化です。

ところが、職人さんはそれをうまく言葉で説明できないのです。
だから、職人さんのいいもの、匠の心というのは昔ながらの「盗む」という発想になるのだけれども、今の子はなかなか盗まないので、それも見える化しようとしています。
そうすると、継承化からさらにサイクルが戻りまして、新しいステージで見える化できます。この一連の流れが連動してきます。

あるとき、テレビで自由が丘のお寿司屋さんの修行物語というのをやっていたのですが、そこの63歳の親方が、今は昔のやり方じゃ駄目なんだと言っていました。よく分かっていらっしゃると思いました。今は時代環境が違いすぎるのですね。

昔と今の決定的な違いというのは、昔の職人さんの世界は住み込みだったりしましたよね。時間拘束などはあってないようなもので、それこそ仕込み、営業やその後も親方ないし先輩たちと一緒に行動する時間が長かったので、その中で教え合ったりしかられたりしていました。けれども、今はそういう時間が本当に欠落しています。

何時から何時まで働くというライフスタイルが定着している今では、マインドの部分については非常に伝えづらい時代にはなりました。昔は言葉足らずともやってみせてとか背中を見せて教えられる部分があったのですが、今はそういう時間もなかなか取れません。

また、昔の職人さんの世界は年功序列でした。つまり、新しく下が入ってこないと1つ上のステージには行けなかったわけです。寿司屋で言うと全部裏方をやっていて、花形といわれるカウンターに立つことは、下の人間が入ってこないと不可能でした。そのために、昔の人は何年も待っていました。

逆に、年功序列があるために教えたがらなかったという面があるのも事実だと思います。だから盗んで覚えろというのもあったと思います。簡単に教えてしまえば自分のポジションを奪われてしまいますから。そういうのもありましたし、時代背景もありました。だから教えたがらなかったという側面もあります。そういうのが職人さんの世界だったと思っています。

それに対して時代背景が変わったことも加味した上でどうあるべきか。職人さんの匠の心(マインド)や技(スキル)を全部見えるようにしようと。

トヨタなどがやっている多能工システムというのはこれだと思います。造船所かどこかでも、今は生きた職人さんが減ってきていることに対して危機感を覚えて、そういう人たちのトレーニング機会を作ったりして積極的に触れ合いや刺激を持たせようとしています。職人さんが先生となって教えてくれるといった感じです。継承しようとしているのですね。
そういう流れが時代にあります。そういった時間や場を提供することも、継承化の一つの新しい流れではないかと思っています。つまり、暗黙知の形式知化がここにあるのですが、これが見える化につながっていくのだと思っています。

ですから、サービスのホスピタリティ上級者と呼ばれる人たちのマインドやスキルも継承するために、積極的に職人さんのほうから教え合うというスタイルを作っていくのがこれからの時代ではないでしょうか。

また、聞かれたことに対しては優しく丁寧に教えていくことも大事なことだと思います。昔は教えませんでしたが。いませんか?
そういう職人かたぎの人。

専門職では、くっついて教えないと伝えきれないという意見があるかもしれませんが、昔より今のほうがはるかにそういう時間が取れないという時代背景があります。

もう一つは、繰り返しになりますが、教えてしまうことによって自分の仕事が奪われるという時代でもなくなってきています。
だからその辺は柔軟に時代に合わせて変えていかなければならないというのも非常に感じています。

ただ、下の世代がそう思っていても、上の世代がなかなかそれを理解できないというのもありますね。

ですので、「時代背景が変わったことを理解した上で継承化していきましょう。」というお店や会社のスタイルを作るべきだと思います。

今の子はやらないとは思いません。
やり方がよく分からないのだと思います。昔のようにできないと頭ごなしに言われても耐えられる忍耐力もありません。

ですから、最近の若い者はどうこうと言う前に、継承化のプログラムを作りましょう。

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